ドクンと胸が激しく高鳴った。


先生が……あたしを?

本当に?


信じられない。


だってそういうこと、先生の口から聞いたことかなったから。



きっとあたしの想いは気付いていたはずだけれど、それでも先生は少しだって振り向いてくれなかったもの…。



「師弟の立場だと、恋愛感情を持つのはタブーだからね。あの子も素直にあなたを女性として見ることに躊躇いを持ってたんだと思う」


そう、だったのかな…。

だから先生は、あたしの先生をやめることになって初めて、デートの約束をしてくれたのかな。



「永都先生……」


そう考えると、ポロポロと涙が零れてきた。