ドクン、ドクンと高鳴る胸に手を当てて

溢れだしそうになる想いを懸命に留めた。


「先生を見るのが怖くてっ…あたしのせいで先生が亡くなったんだって思ったら、どうしてもお別れを言うことができなくて……。本当にすみません!あたしのせいで、先生はっ…」


瞼の裏が熱くなった。


先生のことを想うと

先生を失った家族のことを想うと


今、目の前にいる薫さんの心を想うと


込み上げる涙を止めることができなかった。



「ごめんなさい」


ただ謝ることしかできなかった。


だけど、薫さんはあたしの肩をそっと抱き、ポンポンと優しく叩いてくれた。