悲しくて流れた涙じゃない。

ネオのぬくもりを感じたから流れた、とてもあたたかい涙。



ネオはそんなあたしの涙を指でそっと拭い、そして強くあたしの体を抱きしめた。



「ネオを好きになったから、乗り越えられたんだ」



このぬくもりが、心の空洞をそっと埋めていく。


あたしの心を救ってくれる。



「今はネオがあたしのすべてだよ」



そう言うと、ネオはよりいっそうあたしを抱く腕の力を強めた。




「つらい過去は忘れたらいい」


甘い声とともに、キスが降ってくる。


「忘れさせて」


そして、また何度も唇を重ねた。