「キミがこんなふうに弾くのは初めて見た」


ネオはそう言って、あたしの耳に軽くキスをする。


あたしは白と黒の鍵盤を眺めながら、ネオの肩に首を傾けた。



そしてギュッとネオの手を握りしめながら、息をついてから口を開いた。




「前に言ってた、あたしがすごく好きだった人ね…。ピアノを弾いていたの」



打ち明けたかった。


わかってほしかった。



あたしは握りしめるネオの手のぬくもりを感じながら、話そうと決めた。