「カノンだね」


その声にハッと指を止めた。



リビングのドア越しに、腕を組んで立っているネオ。



「起しちゃった?」



そう言ってほほ笑むと、ネオも目を細めてあたしに答えた。



開け放たれた窓からの初夏の風が、二人を優しく包む。



「かわいらしいカノンに起こされたよ」



ネオはほほ笑みながら、そっとあたしに寄り添った。