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「う~ん、ちょっと味薄いかなぁ」


何度も頭をひねりながら、フライパンを凝視する。



「花音、そんなに悩んでどうしたの?」


「きゃっ……!」



ホワイトソースのいい匂いがするキッチンで

ふわりとあたしの体を後ろから包みこんだのは、ネオだった。



「びっくりした!驚かさないでよ」


「ごめんごめん。エプロン姿がかわいかったからつい」



おなかにまわされた腕を退けながら、あたしは真剣にフライパンを握りなおした。