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「えっ!?悠貴さんとの結婚が破談になった!?」


遥の大声が、会社の更衣室に響いた。



悠貴との婚約を断ったあの一件を話したら、遥は少し戸惑いながらあたしの肩を揺すった。


「それで…あのネオって人と付き合うことに?」


「そうだよ」


冷静に言うあたしに、遥ははぁとため息を吐きながらイスに腰掛けた。



――あれから悠貴のお母さんが、怒りが収まらないのか何度か電話をかけてきて抗議してきたけれど。


お父さんとお母さんがきちんと会って、話をつけてくれた。


それから悠貴からの連絡は全くない。


悠貴の両親がきっと彼を宥めたんだろう。

こんなふしだらな女と結婚などする必要などないと。