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「後悔はしていない?」


耳元で擽る優しい声


そして


「いや、してももう遅いな」


降り注ぐ甘いキスの雨――……



ベッドサイドのオーディオから流れるピアノ協奏曲が、月明かりの部屋を異世界のように幻想的に染めている。


ネオの肌のぬくもりを感じていたら、投げ出した何もかもが嘘のように思えた。



ネオは細く長い指をあたしの指に絡めて、熱っぽい瞳であたしを見下ろした。



「後悔なんてしてないよ」


あたしがそう言うと、ネオは安心したかのように柔らかな表情でほほ笑んだ。