お母さんやお父さんを裏切ることになってしまったこと。

それは何よりも悲しかった。


先生のことがあってから、お母さんがずっとあたしを見守ってきてくれたこと、あたしは知っていたから……。



「こんなふしだらな娘に騙されるなんて!悠貴がかわいそうでならないわ!」


悠貴のお母さんの怒鳴り声に、胸が押しつぶされそうだった。



何と言われようと、言い訳なんてするつもりはない。


何もかも受け止めなきゃ。


このまま自分を偽り続けても、きっとあの頃の自分を取り戻せない。



先生を失う前の

あの頃のあたしに戻らなきゃ。



前に進むために……。