「式の準備は僕の方で今、進めています」


あたしに同意を求めるように、悠貴は目配せをする。




……どうして?


互いに想いあっていないあたしとの結婚を進めることが、悠貴にとってはそんなに大事なこと?


そこまでして、自分の身を守りたいんだろうか。




「新居については少し相談があるのですが」



悠貴は少しお茶を啜って、また言葉を続けた。




「花音には今両親と住んでいるところで、一緒に暮らしてもらいたいと思ってるんです」



……えっ?



「仕事については式までには退職してもらって、専業主婦として僕を支えてもらうつもりです」