聞き覚えのある、穏やかな声が

背後から聞こえてきて



ハッと振り返ったあたしの目に映ったのは……



「僕だよ」



――紛れもなく、ネオだった。





「あなた、あの時の……」


遥はネオを覚えていたみたいだった。




忘れるはずないだろう。



このバーで弾いていたネオの音色も

ピアノを奏でるネオの美しいその姿も



誰もが魅せられるほどに、綺麗だったから……。