「花音、僕の名前を呼んで」


囁かれる低くて色っぽい声に

あたしは逆らえなくなっていた。



「ネオ……」


「もっと呼んで」



熱を帯びた唇が、あたしの首筋を降りていく。



「ネオ」



体を傾けた瞬間に、思わず両手を鍵盤につくと


叫び声のような高音が、大きくフロアーに響いた。



ネオはそれさえ気にとめないで

熱い眼差しであたしを見つめた。



長い指の感触に、とろけそうになる。