「花音には、きっとこの曲の方が合ってるよ」


うろたえるあたしをよそに、ネオは指を動かし始めた。



あたしの目の前で動く長い指が奏で出したそのメロディーに、あたしはハッと顔を上げた。



追いかけるように、重なりあう旋律。


美しくて、かわいらしいメロディー。



それは……


「カノン……」



その懐かしい音色に、耳を疑った。