3月9日。
朝帰りをしてから寝て、昼過ぎに起きる。
ぼーっと、数時間前のことを思い出す。
頭から離れない。
忘れられない。
特にいっぱい喋ったわけでもないのに。
…なんで?
もやもやする気持ちを、どうすればいいのかわからず、とりあえず家を出た。
今日も愛美と約束の日。
通っていた中学に遊びにいく予定だった。
「愛美〜」
「ん?」
「…彼が頭から離れへん。」
愛美の顔がパアッと輝いた気がした。
いつも恋ばなもしまくっていた私たちにとって、どっちかに気になる人ができたりすれば、お互いにテンションが上がるのだ。
「もしかして駿哉くん!?」
私はゆっくり頷いた。