斎藤と過ごす時間はあっという間で
気がつくと夕方だった。
『あ…夕日…綺麗……。』
屯所への帰り道
沈みかけの真っ赤な夕日が
河川敷からよく見えた。
『未来では、こんなに綺麗には見えないよ。』
ビルに囲まれて、空なんて見たことなかった…
病室からでは見えなかったから…
きっと夕日が綺麗な所なんてたくさんある。
だけどこんなに綺麗なのは
この時代のこの場所だけだろうな…
「…そういえば、蛍は未来から来たんだったな…
ということは 俺たちが…この国がどうなるか
知っているのか?」
……そうだ。私は知ってる‥。
これから起こることを…悲惨な未来を…。