自分のことじゃないのに、ここまで熱心に考えて教えてくれる仲間に恵まれたことは、感謝するべき事項だと思う。
単なる告白のために、休みを取る私に嫌な顔ひとつしないし。
お世話まで、ウェルダン並みに焼いてくれるのだから。
「だったら完遂してきなさい」
申し訳なさを口にするたび、ふたりは決まってそう言った。
告白が成功するかどうかは別として、行くからには決着をつけてくるようにと。
特に美咲には、
「中途半端で帰国したら、図書館の敷居はまたがせないからね」
とまで言われた。
心理的圧力は大きかったが、彼女たちなりの励ましだったし、私自身も半端で決めたわけではない。
初恋を貫徹する生涯最初で最後の機会。
だから、もう逃げも隠れもしない。
今こそ、向き合わなきゃ……。
1週間ほどフランス語を学ぶかたわら、その他の必要な知識や空港での行動など、まるで初めてのおつかいのようにみっちりと教わって。
前日から休みをもらい、私はゆっくり過ごすことにした。