「じゃあね、萌乃。手当てありがとう」


俺は空気を読んで、保健室を出ようとしたが…


「あ、朔ちゃん!」


出入口の扉に手をかけた所で、萌乃に呼び止められた

っで、差し出されていたのは、白地にピンクの花びらシールで可愛くデコられた携帯電話


「教えて?…駄目?」


首を少しだけ傾けて聞いてきた萌乃

そして、身長差があるため自然と上目遣い

…すっげぇ、可愛い…

そんな、萌乃の可愛い行動に駄目なんて言えないし、言わない

差し出された携帯を受け取り、自分のケー番とアドレスを登録した


「わーい!ありがとう朔ちゃん!」

「いいえ、どういたしまして」


嬉しそうに笑う萌乃に、返事をして今度こそ、保健室を退室した