「うん?膝の怪我なら大したことないよ?」


不安そうな楠木の問いかけに、萌乃はそう答えた

今日来たばかりの、萌乃は俺の女癖の悪さを知らないからね

だから、二人の会話は噛み合ってるようで、噛み合ってない


「なら…いいんだけど」


俺を警戒しながら、楠木は萌乃の近くに走り寄った

そんなに警戒しなくても、襲いかかったりしないのに…


それに、俺は今日から女遊びはしないと思う
ってか、出来ない

もう、萌乃以外いらない


「七菜…泣いたの?」


楠木が萌乃の隣に行くと、萌乃が言った

あ、本当だ
目が赤い、それに涙目だ


「…萌乃、帰ろ?」


楠木は、萌乃の問いかけには答えずに帰宅を促した

ってゆうか、俺が居たら萌乃に訳を話せないってことかな?