その後、車内に戻ったあたしたちは後部座席で2人、大判の毛布にくるまった。 『寒くない?』 『大丈夫だよ!もうすぐ春だもん。』 あたしはやっぱりズルかったって、今になって改めて思う。 仁や潤悟や翔に囲まれて、守られて。 こんないい人たちを、あたしが全部独り占めしちゃってたんだから。 『どうした?』 『ううん、ただ……ありがと。』 『フッ…!変なやつ。』