『見逃してやるから逃げろって言われたとしても、逃げねぇーよ…。』 『ふん、バカだな。』 『バカは、あんただよ!!』 あたしはひったくり犯に、向かっていった。 あたしを殴ろうとしたひったくり犯の腕を掴み、地面へと叩きつけた。 『もう…意識無くしちゃって……。これは、返してもらうから。』 あたしが背を向けると、遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえ、目の前には知佳と進くんが立っていた。