『ひったくり~~~!誰か、誰かー!捕まえて…』 近くでおばあさんの声が聞こえた。 『ごめん……』 あたしは迷った。 ここで行ったら、今まで積み重ねてきたあたしは、完全に崩壊する…。 でも、迷ってるヒマはない。 それに…あたしは見捨てることなんて出来ない。 『ごめん…って……。』 『違う…違うけど、あたし……あたし、ほっとけない!』 あたしは声がした方に走った。 『行ったら、菊原が危ない目に!』