そのままドアを開けて、部屋を出ると、誰にも挨拶はせず、仁の家をあとにした。







仁の家から新しい家までは、ギリギリ歩いていけるくらいの距離。

翔ん家も潤悟ん家も同じくらいの距離で行ける場所にあたしの家をと、潤悟パパが選んでくれたみたい。




感謝しても感謝しきれない。
けれど、今日は遠く感じる。

夜道を歩いても危険じゃない場所…。

毎日、明るく道を照らしてくれるコンビニやらお店やらが、今日はあたしの心にも少しだけ…と照らしてくれているようだった。