それからだった。 翔が部屋に戻ったのは。 何分トイレにこもっただろう。 泣きたくても目が腫れちゃうから泣けないし、出たくても出れないし…。 トントン。 そんな時だった。 『華恋ちゃん、トイレ行きたいわ~。』 明るい声の潤悟ママの声に、 『す、すみません!』 あたしは慌ててトイレを出ると、 『大丈夫よ。』 あたしの肩をポンと叩いて、トイレを通り過ぎて外へと出て行った。