.* 学校 *.
「――で、この答えになるという事、この公式を応用したのが―…」
今は4時間目の数学、お腹が空いて丁度やる気が失せる頃。
「ゔーん、分かんない。」
頬杖をついてムスッとした顔で黒板を見つめる。
すると、隣の席の男子から手紙が回ってきた。
「…おい、星野。これ翔から。」
「え?うん、ありがと。」
先生に気づかれないように、手紙を膝の上で開く。
--星野へ--
話あるから後で来い。
--高梨より--
何…?なんだろう“話”って…。
そういえば、高梨とあんまり会話したことないなぁー。
そんなことを思いながら、ちらっと彼の席を見ると
目が合ってしまった。
目が合った瞬間、彼がニコッと笑う。
―――気づかなかった…私はこの時の彼の笑みに、裏があったことを。
まだあの事を知らないこの時の私は、ニコッと微笑み返してしまった…。
...__next〆