「まじかよ……」

 俺は呟いた。

 ドッキリか?
 ……いいや、そんな訳が無い。
 真実なんだ……。

 そんな、身近な人が死んだなんて。
 京介の家に何度か遊びに行った時、京介の母親に会ってた。
 笑顔が優しくて、京介のように明るい人だった。

 ――――!!
 そうだ、京介は……!?

 その時、携帯が鳴った。

「もしもし!?」

 俺は直ぐ様電話に出た。

『もしもし……千秋だけど』

 千秋――。
 何故か俺は、千秋の声を聞いて安心した。

『今、ニュース速報入ったの見た……?』

「……ああ」

 千秋も見たんだな……。

『京介に電話したんだけど、繋がらなくて……何だか怖くて』

 今隣に千秋が居たら……抱き締めてやりたいと思った。

「大丈夫だ、俺も電話してみるから」

 俺はなるべく力強く言った。
 俺も不安だけど、千秋をこれ以上怖がらせられない。

『うん、ごめんね』

「京介はきっと大丈夫だから」

『ありがとう……じゃあね』

「いいんだよ、また明日な」

 俺は電話を切った。
 そして溶けて手にベッタリと付いたアイスに気が付いた。