『はい』

「ありがとうございます」

 俺は靖奈さんからコーヒー受け取った。
 俺は砂糖を入れずにそのまま飲んだ。

 うん、おいしい。

 それを見ていた千秋が声を上げた。

『椿、砂糖入れないの!?』

「え、入れないけど」

『苦くない!?』

「このくらいが丁度いいんだよ」

 俺はいつもブラックだ。

『絶対苦いって〜』

 千秋が自分のコーヒーに砂糖を入れて言った。

『あんな苦いの飲むなんて信じられないね』

 そう言う慎。

「……俺にはお前の方が信じられない」

 慎は何度も何度もコーヒーに砂糖を入れている。

『うっわ!! 甘そう!!』

 慎のコーヒーを見て、千秋が言った。

『このくらいが丁度いいんだよ』

 慎は俺が先程言った言葉を呟いて、砂糖大量入りのコーヒーを飲んだ。

「飲んだよこいつ……」

『椿も飲んでみる?』

 慎が笑顔で言った。

 俺が甘いの嫌いなの知りながら……わざとだろ!!

「飲むかボケ――」

 俺がそう言った瞬間、慎は俺の口に自分のコーヒーを押しつけた。
 砂糖大量コーヒーが、俺の口の中に侵入していく。

『おいしい?』

「甘っっ!!!!」

 ってか不味っっ!!!!