『真奈美はいいとして、お前達は何しに来たん?』

 唐松さんが聞いた。

「そうだった、テレビ見て……話し聞きに来たんです」

 一瞬、唐松さんの目が険しくなった。

『お前達もそれ目当てか!』

「……も?」

『近所の奴とかが俺の話聞きにたくさん来たんだよ!! ……ったく、出るんじゃなかったよテレビなんて』

「そうなんですか……」

 うわぁ、大変そうだ。

『と言う訳で野次馬は帰った帰った!!』

 唐松さんは俺達に向かって、シッシッと手を振った。
 俺はその動作が少し勘に障り、声を荒げた。

「野次馬なんかじゃありませんっ!!! れっきとした被害者です!!」

 被害者……ってのはちょっとおかしかったかな?

『そっ、そうだよ。千秋は次の標的になっちゃったんだよ!!』

 葛西も唐松さんに訴えた。

『む……そうか。じゃあとりあえず家に上がれよ』

 俺の勢いに押されたのか、唐松さんは戸惑ったような顔をしながら俺達を中へと促した。

「……おじゃまします」

 俺達は、家の中へ入っていった。