夏休みの最後の週の水曜日、
朝の7時というとんでもない時間に
携帯の着信音が部屋のどこかで鳴った。
あれ、携帯どこにおいたっけと、なんだろうこんな時間にと
ちょっと不安になりながらも、
とりあえず布団の中をもぞもぞと携帯がないか
探してみる。

探してみる、けど
携帯は無い。
「あっれー・・・おかしいなあ・・・」
普段の私ならまあいいか後にすればと
なるのだろうけど、今日は違う。
こんな朝早い時間に電話してくるなんて
よっぽど大事な話なのかもしれない。
そう思うとなんだかすぐに携帯を探し出さなきゃならないような
気がしてきた。

着信音が聞こえなくなる。
電話が切れてしまったみたいだ。
「ああ、もう・・・」
一人でつぶやいてみる。
もう一回鳴らないかな・・・と願うけど
携帯は鳴らない・・・っぽい。

結局私が携帯を見つけたのは
それから30分ほど経ったころでだった。