『愛美、おはよう』

圭輔が先に目が覚めて、私の髪を撫でていた。


私は安心感でぐっすり眠っていた。


『おはよう』


こんな風に誰かに起こしてもらう事も、


《おはよう》と言うのも初めてだった。


圭輔は私に初めてをたくさんくれた。


私は起きてコーヒーを入れながら、

遅めの朝食の準備をしていた。


圭輔はテレビを見ながら、出来上がるのを待っている。


朝食を食べながら、圭輔が

『なぁ、なんで全部二人分とか用意してあるの?』


って素朴な質問をした。