タクシーの中で二人とも黙っていた。 私は心臓が壊れるんじゃないかってくらい ドキドキドキドキしていた。 静かなタクシーの中で心臓の音が響き渡るんじゃないかって 心配になるほどだった。 圭輔さんも、きっとドキドキしてる。 握られた手が汗で湿っていくのがわかる。 『…着いたよ』 そう言ってタクシーを降りると、 圭輔さんはマンションの広さに驚いていた。