『フフッ』


その男は何故か笑っていた。


『何が…おかしいの?』


私が聞くと、


『大丈夫だよ、警察じゃないから』


と答えて、名刺をくれた。


よくわからなかったけど、大きな会社の社長だってことはわかった。


【真田行人(サナダユキヒト)】


その男に私はその日、買われた。


16歳も半分過ぎた頃だった。



真田さんは、住むところを用意してくれた。


他の男に買われる事を禁止された。


その代わり、欲しいものは何でも買ってくれた。