学校を辞めて、私は家を出た。 正確に言えば施設を出たと言うのか… 私には本当に帰る場所がなくなった。 わずかなお金で行けるとこまで行った。 誰も私を知らない場所に行きたかった。 電車を乗り継ぎ、何とか知らない町までやってきた。 でもお金が無くて食べるものも無くて、 路頭に迷っていた。 歩く元気もなくなって道にしゃがみこんでいると、 綺麗な女の人が声を掛けてきた。