どこか心の中で少しホッとしていた。 梨花さんに全てを聞いてもらおうと決めたけど、 実際、自分の過去を人に話すのは勇気が必要だった。 ましてや、圭輔に話すのはもっと… 『圭輔?今から帰るね、うん、疲れてるから先に寝てると思うけど…仕事、頑張って』 帰りのタクシーの中で圭輔に電話をかけた。 (今日は何も考えずに眠ろう…) 部屋について、化粧だけ落として気が付いたら眠っていた。