そう悩み悶えているうちに、
こんな事にさせた張本人の秋本は
逃げるように自分のクラスの方へ走って行った。
僕もさすがにクラスの女子に怒られたので、自分の座席に戻る。
それでもやっぱりさっきの話とか出来事が忘れられなくて、
合唱祭実行委員の話や、
他の学年の合唱を聞いても
何だかモヤモヤしていた。
ホントは、何も変わらない日々が嫌で
ホントは、早く自分の気持ちを彼女に知ってもらいたくて
もう告白してしまいたかったのかもしれない。
さっき前川と初めて目が合った瞬間に、
心のどこかに勢いがついたのを感じた。