見ると陽梨先輩が息を切らして、 俺を手招きしている。 俺は重たい足取りで 陽梨先輩がいる場所まで歩く。 陽梨先輩に近づけば近づくほど、 もう1人の人影が見える。 あの影はきっと美姫先輩だ。 鼻を触りながら何やら先輩に言っている。 理由は知らんが、どうやら怒っているようだ。 「大輔、先週渡したプリントは? まだ返されてないんだけど」 あ…忘れった。