…え?

何で?

教室に入り、
新しいクラスメイトの顔をざっと見渡してみたけれど
皆 揃ってポカンとした表情をしている。


え、え…?
私 何かおかしいところあったかな!?

すごい不安なんだけど…。


「えーと、皆も知ってると思うけど…
 今日は転校生を紹介します」

軽く前置きしたあと、
先生は「ほら、自己紹介」というように
視線をこちらへ流してくる。


そ、そうだ。
まずは自己紹介だよね。


皆の唖然とした表情を不安に思いつつ、
私は何度も予行練習をした自己紹介を始める。


「はじめまして、雪流 亜樹(ゆきなが*あき)です。
 東京から引っ越してきました…。

 えっと、早く皆と打ち解けたいので!
 よろしくお願いします。」

「そう、雪流さんは東京からこっちに来たばっかりだから。
 慣れないと思うから 皆色々教えてやってくれよ!」


上手く言えた、かな。
とりあえず 声は裏返らなかったし。

でも、教室の皆は相変わらずポカンとしたままなんだけど…?
何なんだろう、怖いよ。


私が不安げな表情をしているのに気付いたのか、
先生がゆっくり一言付け足した。


「ほらほら皆
 今日から一緒に勉強するクラスメイトだぞ?」