そう決めたんだ。


「…よしっ」

決めたなら、
頑張らなくちゃ。


今日から私の新しい人生が始まる―!


―――


「…此処が2年E組の教室だよ。」

「あっ、はい!」


2年E組。
それが私の新しいクラスになるらしい。


はー、緊張するなあ…。
転校なんて初めてだからなあ。

…そう、
あんなことがなかったら
転校なんてしなくても良かったのに。


って、駄目だ私。
もう過去のことは思い出さないって決めたんだから!


パシッと頬を叩いて気合いを入れていると、
少し前に立っている、眼鏡の似合う30代半ばくらいの先生が
チラッと横目で私を見た。

不思議な顔をする私に向かって
ははっと笑いながら口を開く。


「いやー、
 さすが元モデルなだけあって綺麗だよなー。」

「えっ…。」


元“モデル”。
その響きに肩がピクッと揺れた。


「E組の男子はラッキーだなー!」

そう言いながら
尚も笑い続ける先生。


その笑い声は
音で表わすと“がっはっは”。

何がそんなにおかしいのかな…?
もう、恥ずかしい。