その言葉を聞いて
私の心には、チクリチクリと針を刺されたような痛みが走る。



裏表がない…、か…。



6時間前までの私はレンの表面だけしか知らず、彼の一番美しいイメージだけに恋をしてた。



イケメンじゃなきゃ恋できない、と思い込んでた私

レンのコトをキモチワルイと思っていた私




男性を外側でしか判断せずにいた私は、カレの言うところの“色眼鏡女”





レン、あなた誤解してる。
目の前にいる私は、そんなにイイオンナなんかじゃないんだよ?




その事実に触れたくなくて
薄っぺらな私の価値観に気づきたくなくって
私は残っていた芋焼酎を思いっきり喉の奥に流し込む。




「そんな…イイオンナじゃないよ?私。」


「へ??」


「私、カッコいい人じゃなきゃ付き合いたくない!!っていうお馬鹿オンナだし。
男見る目ないからいっつもヒドイ振られ方しちゃうし。」


「……。」


「ほんと…ロクなオンナじゃないの。
レンにそんな風に褒めてもらえるような、イイオンナなんかじゃないよ?」




酔ってたのか
酔っぱらったフリをしたかったのか



理由はわかんなかったけれど、あの時の私はむやみやたらと饒舌(じょうぜつ)だった。