いつもなら。
いつもなら気をつけてこんなに可愛げのないお酒を飲んだりせずに、カクテル片手に
“私、お酒弱くって…”
とか演技するのに!!
しまった…
完全に忘れてた。
気を抜いて、素の私を見せてしまった~!!!
気づいた時には、時、既に遅し。
もうすでにグラスに半分以下になってしまった芋焼酎の水割りに、バクバク食べたお刺身。
――やっば~い……
どんだけ食欲旺盛な女なのよ~、私!!
顔面蒼白になりながら、動きと思考をストップさせていると
「いいなぁ~。俺、好きだよ。
おいしそうに酒飲む女の子。」
そう言って、レンはニッコリと私に微笑む。
「妙になよなよしてて“私お酒よわくってぇ~”とか言う女は本心が見えなくて気持ち悪いけど…。
優希みたいなのはイイね。」
「へ…??」
「自分を飾らない女の人は、いそうでいない。」
そして、レンは私のグラスに自分のグラスをカンと軽くぶつける。
「いいね。
優希みたいに裏表もない
色眼鏡で人を見たりしない女の人はすごく魅力的だよ。」
そう言って
レンは残ったお酒をグビッと喉に流し込んだ。