「おーい、祐吾さーん!!
ココ、座ってもイイのー!!?」
店の中を覗いて、カレがエプロンをつけたオジサンに話しかけると
「おお!!レン!!
いいぞー!空いてるトコどこでも座れ!!」
オジサンは嬉しそうな顔をして、カレに話しかける。
「じゃあ、優希。
ココ座ろっか。」
そうして…
レンが私に勧めたのは一番道路側のビール瓶机の席だった。
――すっごーい!!こういう店好き~!!
理子といても、高級な店よりこういう安酒場みたいな場所にハマッてしまう、オッサン趣味な私。
ずっとガード下にも行ってみたいと思ってたけど、女一人じゃ勇気が出ず、今までお預けくらってたから、こういう店に来れて本当に嬉しい!!
うきうきしながら席に着いてメニューを見ると、刺身に、肉豆腐に、焼き鳥に、おいしそうなメニューがわんさかと手書きで並んでいる。
――わー!!わー!!何食べよ!!
目をキラキラさせながらメニューを食い入るように見ていると
「ホント…変わってるなぁ…。」
「え??」
「普通はさぁ?初めてのデートでこんなトコ連れてこられたら、普通の女はドン引きするでしょ。」
お手拭で手を拭きながら、呆れたようにレンが笑う。