「いい…よ、優希で。」
震えるココロを必死に押さえながら、できる限りの虚勢を張って彼に答えるとレンはフッと柔らかに微笑んでこう言った。
「ありがとう、優希。
キミみたいな子、初めて会ったよ。」
分厚いメガネに
キャラクター物のTシャツ。
よれよれのネルシャツに
安物のジーンズ。
どこからどう見ても変で
ダサくて
最悪のレン。
でも…
悔しいけど、私はカレに惹かれてる。
ううん?
私はカレの手の中に既に落ちてる。
ありえないことに…
私はカレが好きなんだ。
あんな奇妙なパーティーで出逢った
得体の知れないキモオタ男に
イケメンキラー・遠山優希は恋をしている。
こんな姿を理子が見たら、爆笑するに違いない。