「…え??」
意味がわからなくて聞き返すと、カレは私の左手を乱暴に握り締めて、こう言った。
「俺の名前はレン。」
「レン…」
「…そっ。
本名を明かすつもりなんてさらさらなかったんだけど、ヴィオレッタは意外とイイオンナだったから。」
“レン”
初めて知った、彼の名前にドキドキする。
心の中で反芻するたびにドキドキして、キュンキュンして落ち着かない。
あぁ~~~~!!
なにやってんだ、私!!
キモメンなんだよ!?
アルフレード…もといレンは超キモオタファッション男なんだよ!?
そんな男に、ときめいてどうするよ~~~!!!!!
頭の中は“どうして”と“はてな”でいっぱい。
なのに……
気持ちは一人突っ走って、異常にドキドキして落ち着かない。
うぅ~!!
マズイ…
まずいよ、ワタシ。
「じゃ…行こうか、ヴィオレッタ。」
「ユウキ。」
「へ??」
「私の名前は優希って言うの。」
「へぇ…。
じゃぁこれから優希って呼んでもいいの?」
キュン
ドキ
キュン!
カレがワタシの名前を呼んだだけで胸がドキドキして、呼吸が苦しい。
こんなの…もう恋じゃないか。