「ねぇ、狩りにでかけない??」


新宿にある、いきつけの焼き鳥屋さんで。
親友・理子はニッコリ笑って、私に訊ねる。




ガヤガヤと仕事帰りのオジサマ達でごった返す店内。
大好きな芋焼酎片手に、砂肝をつまんでいた時、理子はこんな恐ろしいことを言い始めた。





「はぁ!?狩り?」


「そう、狩り♪」





親友、藤堂理子は恐ろしいほどの肉食女子。
お父さんは大手スポーツメーカーの重役。
お母さんは専業主婦だけど、玄人(くろうと)顔負けの料理上手。



12歳まで海外暮らしという、帰国子女な理子は考え方や行動も日本人離れしていて、豪快でおおらか。




しかも口癖は“恋愛は戦いだ!!”な、超肉食女子。




そんな彼女から出た“狩り”の意味は……





「ヤだよ。行かないよ?合コンなんて。」


「え~?なんでよ。
だって冬だよ?クリスマスだよ?
人肌恋しくなる時期じゃん!!!」


「だから、それがいやなんだってば。
合コンっていかにも“飢えてます~”って男女の集まりで、興ざめしちゃうんだもん。」


「わかんないわよ!?
この年になったら、出会いなんて狩場に出かけでもしないとナイんだからね!?」





理子のいう“狩り”とは、つまりは“合コン”のコト。





イイオトコ漁りが趣味の理子は、合コンが大好き。
出会いを求めて、週末は夜な夜なパーティーにお出かけするのが彼女の生きがい。