周りの仮面の方々は優雅に柔らかにダンスを楽しんで……、なく。
「やだぁ~!!」
「う、うわっ!!ゴメン!!」
不恰好なダンスに、
不恰好な姿勢。
ダンスというのもおこがましいほどのレベルで、あたりをハチャメチャに動き回っている。
それを見てほっとする心と、プッと笑ってしまう、私。
そんな私を見て微笑むと
「安心した??ヴィオレッタ。
僕と踊ろう??不恰好に不恰好なワルツで。」
アルフレードはゆっくりと踊りだす。
軽やかな足取りの彼とは違って、ヨタヨタとおぼつかない足取りの私。
きっと踊りにくいだろうに。
きっとイラッとすることもあるだろうに、アルフレードはいやな顔せず私の不恰好なダンスに付き合ってくれている。
楽団員たちの奏でるワルツが一息ついた後。
「ご、ごめんね。
踊りにくかったでしょ??」
そう…謝るとアルフレードはニッコリ笑ってこう言った。
「全然??逆に新鮮だったなぁ。
こういうのも。」