ふ~~~~ん、オペラかぁ……。
そんなの興味も何にもないから見たこともなければ、CD聞いたこともないわ~。
シャンパンを口に含みながらシラーっとした感じで理子の言葉を聞き流していると
「アンタね。
ただ生きてるだけじゃなくて、もっと自分を磨きなさい、自分を!!」
理子は突然プリプリと怒り出す。
「は、はぁっ!?なんで突然怒り出すのよ!!」
意味がわからなくて逆ギレすると
「イイオンナの外見は中身から!!
外見もだいじだけど中面磨きを怠ると、いつかきっと痛い目みるわよ!?」
そう言って、理子はビシッと私を指差す。
「い~い!?
イイオトコに釣り合うためにはそれなりの努力と知識が必要なの。
夢見る夢子でイケメンゲット♪…なんて少女マンガなシチュエーション、アラサーオンナには夢のまた夢だと心得な!!」
――う、ううっ!!!
理子のもっともな一言に気圧されて、ひるんでしまった私。
そんな私を見て女王様のように微笑むと
「ま、とにかく今日は楽しみましょ?
アンタのお眼鏡に適うオトコがいるかと思うと、楽しみすぎるわ。」
そう言って。
理子はフロアーの中央へと進んでいった。