会場である鹿鳴館倶楽部『シークレットガーデン』は素敵な洋館。
主催者である柚月一星さんの持ち家だというウワサだけれど……。
洋館というよりは古城といった方がぴったりな感じ。
中世ヨーロッパの雰囲気を沸々と感じさせるゴージャスな建物だった。
大きな表門をタクシーで抜け、シークレットガーデンのエントランス前に着くと
「さて。楽しい狩りのお時間のはじまりだわ。」
にっこりと妖艶に微笑んで、理子はギンギラギンのマスクをつける。
「もう!その言い方やめてよ。なんだか下世話に聞こえるから。」
そう言って、私もバックの中に忍ばせていた仮面を取り出す。
すると理子は
「いーじゃない。
こういう夜ってエロティックでエキサイティングで素敵だわ。
正に“狩り”でしょ。」
タクシーを降りながら大胆不敵に微笑んで、私にバチッとウィンクをお見舞いした。