あの悪魔な仮面パーティーから3週間後。
「ま~ったく。
一時はどうなることかと思ったけど…
収まるトコに収まってくれてよかったわ。」
「お、収まってません!!」
私は相変わらず“友達以上恋人未満”な関係を続けさせられている。
毎日メールもするし
毎日電話もするけど
レンはあの日以来
“好き”とも“嫌い”とも
何も言わない。
「このまま私、都合のいいオンナになりそうだよぅ~~!!」
テーブルの上にうつぶせになりながら、さめざめと泣きまねをしていると
「だーいじょうぶよ。
仁から“最近レンレン、ご機嫌です!”ってメールが着たから。」
そう言って
理子はクククと笑う。
あの日の謎、その1
“レンレン”という呼び名は、どうやらレンのお母さんが編み出したあだ名のようで。
レンは小5まで自分のコトをレンレンと呼んでいて、トモダチに散々バカにされていたらしい。
私からしてみたら可愛らしいエピソードで笑えるんだけど…
本人にとっては大変な屈辱だったようで、
彼の前で“レンレン”という言葉を発するのは
絶対タブー!!のようなのだ。
そんな家族しか知らないハズの屈辱のあだ名を私が呼んだモンだから、あんな鬼の形相して追いかけてきたのね……。