「嫌いになりたいのに、突き放したいのに、優希が違う男とそういうコトするのかと思うと、嫉妬で心がバラバラになりそうになる。」



「れ、レン……」



それって、
それって……!!




レンの発言に思わず都合のいい展開を考えてしまう、単純な私の頭。


そんな私の体をレンはギュッと愛おしそうに抱きしめる。





「レン…」


「俺はキミが忘れられない。
許せないのに
キライになりたいのに
キミが俺の中から消えてくれない。」





それを聞いて
私はお腹の奥がキュウンと疼く。






「だから…奪ってよ。
優希、俺のコト欲しがって奪ってよ。」





まるで女の子のようなレンの言葉




そんな彼の言葉にクスッと笑って




「レン。」




彼の手にそっと自分の手を重ねると
レンはビクリとカラダを震わせる。





少しだけ緩まった腕の力
その中でカラダをクルリと反転させると
私は彼に向き合って
まっすぐに目を見つめる。





「それは女の子が言うセリフだよ??」



「…優希…。」



「私の気持ちは最初から決まってる。」





そう言って、
大きな子供のような彼の体を
ギュウッと優しく抱きしめる。