『カッコイイ男は自分の価値を示す、ステータス。
どこか自分に自信を持てないアンタは
イイ男を捕まえて、隣に歩かせることで
自分の価値が上がっているような錯覚を起こしてた。』




『アンタが自分を保つためには、人が羨むカレシが必要。
だからアンタが好きになる人はイケメンじゃなきゃ、いけなかった。
そうでしょ??』





理子に言われた言葉を胸の中でかみ締めながら
私はゆっくりと言葉を紡ぐ。





「きっと…私はレンが嫌う女像にピッタリ当てはまる、イヤなオンナなんだと思う。
正直、銀座で初めて私服のレンを見たときには、ドン引きして、すぐ帰ろうかと悩んだくらいだったの。」




夢の王子様・アルフレードがキモオタだったとわかったあの時のショック。




あんな格好のレンとオシャレでセレブな街、銀座を闊歩(かっぽ)することになるだなんて、思いもしなかった。






あの時の図を思い出して、クスっと笑うと、レンは不思議そうに首をかしげる。





「だけど…、楽しかったんだぁ…。」


「……??」


「レン。信じてくれないかもしれないけどね?
私、あなたとのデートがとっても楽しかった。
あなたのコトもっと知りたい、もっと一緒にいたいと思った。
レン、私あの1日で恋してた。
ダサくて、ヘンテコなあなたに、私は恋をしたんだよ。」