真正面から見るレンの顔は、素顔ではなく
イジワルそうなスネオくんのお面のまんま。
今、彼がどんな顔をして
どんな表情をして
どんな目をして
私を見つめているのかは
お面に隠れてわからない。
だけど……
コレだけはわかる。
きっとコレは私の気持ちをレンに伝える
ラストチャンス
変な言葉でも
カッコ悪くても
情けなくてもかまわない。
自分の言葉で
自分の気持ちのありのままを伝えよう
後悔のないように
私の全部を彼にぶつけてみよう…。
フウと大きく息を吸うと
「私…ね??ずっと男の人を外見でしか判断できない、イヤなオンナだったの。」
私は彼に、少しずつ喋り始めた。
「カッコよくなきゃ付き合いたくない。
オシャレな人じゃなきゃ、一緒に街を歩きたくない。
そんな上辺だけでしかオトコの人を判断できない、最低のオンナだったの。」